ガラス探検隊

ガラスの寺子屋(延期)第15回報告

昨日は本年初のガラスの寺子屋でした。
昨年10月に行われるはずだった回が台風で延期になり今年に持越しに…

今回は吹きガラス工房の経営がうまくいっている方にお話を聞こうという事でノグチミエコさんが講師、お話の仕方も親しみやすく受講生の皆様聞き入っておられました。

ノグチさんは現在の株式会社としての工房運営に至るまで4段階の工房の運営経験をされてきたそうです。
最初は「横浜硝子」という工房にアルバイトで入ったのですが、オーナーが工房をたたむに当たりスタッフで運営するならと、そのまま場所を譲り受け5人のメンバーで始めたそうです。

その時経理担当したことが今に活きているようですよ。

このチーム運営は5年続き、その後2年間フリーランスでレンタルにて作品制作、その時窯のレンタル料が直接経費としてシビアに響くことを実感。

利益率が高く定期的に売れるものを制作するも、作品と商品の区別がつかなくなっていくデメリットも経験されたそうです。

レンタルでの制作では制作内容に限界を感じてやはり工房を持とうと思い、単身で工房スタートされ、5年運営されたそうです。
しかし、窯を持つと窯から離れられない吹きガラス工房のサガ、そして5年たつと窯の故障が起きたりして、修理にかかる費用、世の中の状況により燃料代が上がる将来を考えるなど、工房を構える覚悟のある方にはかなり勉強になったかと思います。

そして自然発生的な流れでスタッフが増えていく工程は、作品を作り、梱包、発送という作業を一人でやっていると必然的に制作時間が少なくなるので、梱包発送作業をしてくれる人を頼んだり、自分が作ったものをプロダクトとして作れる人を頼んだりで、だんだんと今の会社組織の工房運営になっていったそうです。
規模が大きく育つと仕事もそれなりのものが来るようになり、運営が回っていくという自然の流れに身を任せていたらそうなったとおっしゃいます。

その他にも大きい仕事が来たときの契約条件を最初に取り交わす、お金の支払いに関しては最初に確認しておく、委託や買取に関して最初にしておく約束のこと、販路を広げる方法など、たくさん教えていただきました。

きちんとレジュメを作って来ていただき、後ろにはお役所でいただく「事業計画書」が添付されていました。
これがきちんと書けていないと、銀行や金融公庫からお金を借りれませんよと。

そこには1か月の売上、原価、経費、原価率…うわ~普段右脳で作業しているガラス作家が最も苦手な左脳作業の言葉が並んでおりました。

しかし、これから工房を持とうという方はここがきちっとわかっていないと工房運営はできませんよという教え。

ノグチさんがたくさんの失敗やいろんな経験から学んだことを、惜しげもなくたくさんお話しいただきました。
講義の後は新年会という事で、ガラスの窯でピザを焼き、ガラス作家同士いろいろ情報交換もして楽しいひと時でした。

ガラスの寺子屋今年のプランはありますがまだ日にちが決まっていません。
情報は井上典子さんブログ
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