一昨日の三連休最終日は、ガラスの寺子屋第9回でした。
今回の講師はアートギャラリー酉福(YUFUKU)店主 青山和平さん。
バイリンガルのイケメンギャラリストと言う前触れ通り、会場に現れた時も歯並びの良い爽やかな笑顔~♪期待を裏切らない登場の仕方でした。
酉福は海外に日本の作家を紹介し、世界のコレクターがお客様、7年前にロンドンのアートフェアに出展し、持って行った作品を完売させた実力派ギャラリーです。
ガラスで世界に羽ばたきたい方必見講座でした。
前置きは、「これからお話する事は、私のギャラリーと私の考えであって、一般論ではありません。」と始まりましたが、内容は世界を見てきた経験のお話でした。
日本では工芸(クラフト)とアート(美術)の区別があまりありませんが、海外ではくっきり区別されているので、「工芸」と言ってスタートしてしまうと「アート」の世界では受け入れてもらえないとの事。
やっぱりっ!私もうすうす感じておりましたが、海外では「クラフト」はなんだか地位が低いように思っていました。
と言うか最初に「日本の工芸」を「クラフト」と翻訳した人がいけないように思います。
話がレポートとそれそうなのでこの話はまたに…
世界のアートシーンでは「個展」の時代ではなく、「アートフェア」の時代であると!
世界各国で年に何回も行われる大きなアートフェアには世界中からコレクターが見に来るそうです。
しかもプライベートジェットを飛ばして…
例えば「テファフ・マーストリヒト」、2週間の会期中、毎日150機プライベートジェット機が着き、作品を見に来るアートコレクターがいらっしゃったそうです…想像を絶する別世界だわ…
また、国内の市場のお話では、お茶の世界があるので焼き物好き、器好きが多くガラスのコレクターが少なく、日本は「用の美」が好まれることも教わりました。
そして世界市場は「立体造形」を求めている事、大英博物館もヴィクトリア&アルバート美術館も「器」はコレクションしていませんと。
しかしながら、日本人にしか作れない「美」が好まれる事も教えていただきました。
作品制作には「素材」と「技術」と「自己表現」の3つが必要で、素材はもちろんですが技術はあって当たり前、その先の「自己表現」が重要と。
そういえばガラスは素材が魅力ありますし、作るのも楽しいので技術において切磋琢磨しますがそこ止まりになりがちだわね。
皆さんご注意くださいね。
さて、世界市場が求める「立体造形」における「自己表現」に求められるものは、一言「フォルム」でした。
そしてそのフォルムに対して本当に合った技法で制作しているか。
ここの部分はかなり沢山お話しいただきましたが取りまとめると、ガラスという素材だけに頼らず、その素材の特性を活かし、ガラスを造形する為の技術技法はあって当たり前、そしてそのガラス技法でしか表現できないカタチが重要という事です。
しかもそのカタチが空間を変えられるかが重要と。
そうなんです、海外は住宅事情も違いますから作品を設置する空間が日本とはかなり違いますし、プライベートジェットで来場するコレクターのご自宅は半端ない空間だそうです。
ま、想像できない世界ですが、まずは海外トップクラスのアートフェア―を見に行ってみましょうとおススメされました。
グローバルなアート市場に打って出るには、この目で見て世界を知る事、重要ですね。
この他にも世界のコレクターに好まれる大きさ、フォルム、海外のギャラリーとのお付き合いのし方などについてもご教授頂きました。
最後は、恒例の講評7名の志願者…青山さん爽やかな笑顔のまま、バッサリ…
皆さん世界のアート基準に届かずでございました…(涙)
次回ガラスの寺子屋10回目は1月13日 講師はアートキュレーター 清水敏男さん
お申込みお問い合わせは井上典子さんブログから⇒http://inoten.exblog.jp/