ガラス探検隊

ガラスの寺子屋第2回報告

昨日は「ガラスの寺子屋」第2回でした。
今回の講師は「UTSUWA GALLERY 千鳥」オーナーの柳田栄萬さん。
千鳥では素朴で温かみのある器、料理がおいしく見える器、使い込むほどに美しくなる器を扱われています。
つまり、食卓に上る食器としての器の観点からのご講義頂きました。

きっちりレジュメをご用意いただき、内容は3部に分かれておりました。
1、ガラス作家として生きて行くためのマーケティング戦略
2、うつわやの私はこんなガラスが売りたいのです
3、ガラス作家として生きていくための営業力

1部の「ガラス作家として生きていくためのマーケティング戦略」では、
市場の把握、ターゲットの決定、「作家モノのガラス」の意味の再考をし、自分が作るべきものは何かを考えるについて解り易くお話しいただきました。
柳田さん自身、器のお店を始めてから自分が好きなドストライクの商品だけでやっていて、上手くいかなくなり、お姉さまの一言に「マーケティング」が重要であることに気がついた苦い経験からのお話でした。
私は、もともと広告業界におりましたので、「マーケティング」について理解しておりましたが、「これを作家活動にも当てはめられるのかっ!」と膝を打つ思いでした。
作家の方には、「ありのままの私を好きになってほしい」という考えの方が多いのですが、要は「相手に好かれる努力をしましょう」という内容でした。

2部の「うつわやの私はこんなガラスが売りたいのです」は、
需要の高いアイテム、ほどほどに需要があるアイテム、ヒットの可能性のあるアイテムに分けて、
サイズや容量など細かく教えていただきました。
教えていただいたアイテムで、今回参加した作家さん達でそれぞれ作品を制作し、グループ展を開催したら面白いかもっ!と思いました。

3部の「ガラス作家として生きていくための営業力」では、
お店との付き合い方、個展の売り上げののばし方、作家在廊日を最大限に生かすなど、
ただ作品を制作しているだけでは売れませんよという事でした。
しかしながら、営業力と言ってもがつがつしたものではなく、一生懸命な姿勢の人柄に扱う店も、買うお客様もファンになるようです。

この寺子屋主催の井上さんからも、
「ガラスの人達って、他を見て回るといっても、ガラスしか見てないのよねっ!
他の素材も見なきゃだめなのよっ!」
と、厳しいお叱り…
柳田さんの市場の把握のお話の中にも
「ガラスの器にとって世の中すべての器が競合。
量産品のガラスから陶磁器までよく見る事。」と。

「作家性を大事にしつつ、売れるものを作る」ためのかなりためになったお話でした。

今回も、講評会をたっぷり1時間以上して頂き、
「コップなどは単体で使う事もあるけれど、食事の時の器は他のものとのなじみの良さが重要」と、
第1回のフードスタイリスト石森いづみさんの「調和」のお話と共通点もあり、
前回同様バッサリ切られて血しぶきでした。
負けずに皆さん頑張って良いもの制作してください。

次回は4/29(月・祭) 花道家 上野雄次さん
お申込みお問い合わせは、井上さんブログからどうぞ