昨日のガラスの寺子屋4回目は、現代アートの老舗ギャラリー東京画廊オーナー山本豊津さんでした。
日頃お会いした時も、いつもお話が楽しくて魅力的な方、今回の講義も引き込まれるように聞き入ってしまいました。
前回3回までは器としてのガラスが基本にある講義でしたが、今回はアートとしてのガラスです。
まずは、日本及び世界のアートの流れと東京画廊が先代のお父様の時代に現代アートを扱うようになった経緯などをお話し下さり、戦後の高度成長期の製造業の時代の流れとともにアートの変遷がある事をお話しいただきました。
そして、美術品の価値=価格について。
美術は情報が価格に反映されるもの、例えばピカソは皆さん知っていますね、作品の値段も20億円します。
それは「言語化」された情報を皆が理解して価値を知っているから。
言語化されていない情報は理解されないので価値がわからない…値段は最も大きな言語であるのです。
つまり、自分の作ったものの価値を「言語化」して説明できないとマーケットに出ていかれないとの事。
やっぱりなんとなく作っていたんではだめなんですね。
グローバルマーケットに於いて日本の美術はコンセプトに弱いので、もっと他の民族との違い、日本人の中で持っている感性を言語化し、そして言語化できない身体的なものとして作品があるべきと。
ちなみにこの「言語化」ですが、言語化が必要ないものは、人がすでに作っているもので、人が作ってないものを作る時に「言語化」が必要です。
また、作品の仕上がりは自分の目で判断して完成としていますので、みなさんの目が肥えていないとだめですよ。
いろいろなものを見て目を肥やさないと自分の作品の向上は無いですよとのご指導。
とにかくガラスという素材を鍛えた目で見直してみることが必要だと。
今回も希望者10名の作品講評をして頂き、楽しいお話を交えながらひとりひとり丁寧に、こうするともっと良くなる方法までご指導いただきました。
皆さん作品を出す時、「言語化」を試みられていましたが、まだまだ鍛練が必要そうでした。
次回は7月15日(月・海の日) 講師は木村硝子店社長 木村武史さん
詳細・お申し込みは井上典子さんブログからどうぞ⇒http://inoten.exblog.jp/19885486/