ガラス探検隊

ガラスの寺子屋第8回報告


一昨日の日曜日はガラスの寺子屋第8回でした。

今回はプロの一流料理人からお話を聞こうと、
銀座並木通りの人気日本料理店「六雁」初代料理長 榎園豊治さんを講師にお迎えいたしました。

榎園さんは現在厨房に立つことはあまりなく、料理界の人材育成、リゾートホテルや有田焼のディレクションなど、その活動は多岐にわたっていらっしゃいます。

まずは料理人界のお話から、「料理人もモノ作りです」と始まりました。
料理人の方たちは早朝の仕入れから調理の時間、お店が終わる夜まで1日1516時間労働が当たり前だそうで、この人から見えている働く時間帯以外の見えない時間にどれだけ努力するか、情報収集するかが一流のプロと言われるようになるポイントだそうです。

そしてこれはガラスの作家にも言える事、24時間ガラスのこと考えていないといけないのですっ!

料理人の中には、B級A級S級とあり、このS級のスーパーシェフと呼ばれている方々が求める器についてもお話しいただきました。
たとえがパリコレのスーパーモデルと東京カワイイコレクションのモデルの違いで分かりやすかったです。

東京カワイイコレクションのモデルさん達はお客に愛想を振りまいていますが、パリコレのスーパーモデルたちは無表情、そして圧倒的な存在感があるもののあくまで主役は服である。

愛想を振りまくと、モデルが主役なのか服が主役なのかわからなくなる。

そう、つまり愛想を振りまく器ではなく、シルエットと質感が重要で主役は料理です。

スーパーシェフたちは什器をキャンバスだと考えていて、「絵を描くのは俺だ!」と思っているので、器は額縁付のキャンバスであってほしいと。

が、しかし世界観があり、見ただけで誰の器かわかる事も要求されました。

ぐは~…一流と互角に勝負するにはホントに真剣勝負ですな。


榎園さんは有田焼の器のディレクションもされています。

有田焼と言うと手書き絵付けの凄い飾り皿を想像される方が多いとは思いますが、なんと絵付けをやめ、シルエットで勝負した器をお持ちいただき見せてくださいました。

ジャパンブランドというフランスでの見本市で絵付けの有田焼を出品していたころは、だれも見向きもしなかったのに、絵付けをやめた有田焼はミシュラン星付のシェフたちがたくさん見に来て星の数は43スターだったそうです。

そのほかにも、器の使い手はいろいろなので誰に売りたいのか、ターゲットを明確にするようにと。
家庭の主婦なのか、料理人なのか?

料理人の中でもB級からS級までいることも解りましたし、自分の作る器は誰のためなのか細分化して考えないといけませんね。

これは、ガラスの寺子屋第2回で出てきたマーケティングですね。

また、自分が何者か、どういう存在か、何を大切にしているのかを伝えるのに、自分自身のブランディングが必要で、どう見せるのかのプレゼンテーション力が必要と。
ほらほら、これもガラスの寺子屋第4回で教わった「言語化」ですよ。


そして最後に作品講評していただきました。

大方はバッサリ切られましたが、何と今回は2人褒められました~。

回数重ねて学んだせいか、たまたまなのかわかりませんが、なんか光が見えてきた気がいたしました。

講評の中で教わったのは食欲をそそらない色と言うのがあるという事、理論的にご説明頂きました。

ガラスで器を目指す方はここ注意ですね。

何色がそうなのかは今回の受講生のみが知るところですよん。

次回は1223(/天皇誕生日) 講師は酉福店主 青山和平さん
お申込みお問い合わせは井上典子さんブログから
http://inoten.exblog.jp/