ガラス探検隊

ガラスの寺子屋第14回報告

今回のガラスの寺子屋は、参加メンバーの方から「同年代で活躍している人の話を聞きたい。」というリクエストで、家具、プロダクトからインテリアデザインまで幅広く手掛ける1981年生まれの若手デザイナー小林幹也さんでした。
穏やかで落ち着いた物腰から誠実な人柄を感じました。

「まずは僕の好きなものを。」と、好みを知るとどんな人かわかるのでということで、パソコンできれいな画像でご紹介いただきました。
ハンス・ウェグナーのCH20という椅子が好きなこと、旅行が好きなこと、ほんとはサッカー選手になりたかったことなど。

小林さんの物作りは自分の生活の中からや周りの人たちの話などから「あったらいいな。」と思うものをつくられていて、特別マーケティングのような調査はしていないそうです。
瞬間的にいいなと思うことを、観察したり検証したりして形にしていく作業なのだそうです。

その例として、「TATE OTAMA」はまさに立つお玉で、一人暮らしの頃の台所が非常に狭く、まな板も流しに渡さないと調理ができず、お玉を置く場所がない状態。
かといって、お玉を鍋に入れっぱなしは蓋が開いてしまうのでイヤ…というところからの発想で、お玉が自立して立っていたらいい!

ということでこの立つお玉は富山のコンペでグランプリを取りました。

そのほかにも手がけたプロダクトやカリモクの家具などの制作工程や、職人さんとのやり取りを楽しそうにお話しいただきました。
どのプロジェクトも時間をかけて打ち合わせ、試作を繰り返し、丁寧につくられたエピソードがありました。

そしてどれも華美ではなく、スッとさわやかにたたずむような存在感のデザインです。

ご本人もおっしゃるように「もっと地味でデザイナーの存在感がしないモノを作りたい。」とのこと。

今回はなんとお土産付!
小林さんが24歳の時にデザインした「UKIHASHI」というお箸。

写真のように置くと先端が浮いていて箸置きが必要ではないのです。


でも、ご本人は「箸置きをなくしたいわけではなく、箸置きをデザインしている。」と、考え方の切り口が違うんですね…なるほど~。

このお箸、ドイツのIFデザインアワードで金賞を受賞し、国内外で5060万本売れているそうです。

ガラスの寺子屋主宰の井上典子さん発起人で、昨年9のガラス工房がインテリアライフスタイル展に出展しましたが、この時建築家やデザイナーと組んで「ヒカリ」をテーマに作品をつくりました。
この企画で小林幹也さんと組んだのは岸本耕平さん。

今回は岸本さんもご参加いただき、この時のエピソードなどお二人にお話しいただきました。

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人の作った「ヒカリ」は何と商品化され、今年年末か来年年明けデビューだそうです。
楽しみですね~。

立つお玉など、手がけた作品が見られる小林幹也さんのウェブサイトはこちら⇒ www.mikiyakobayashi.com

さて、次回の寺子屋は1013日ガラス作家のノグチミエコさん、ガラスをビジネスとして成功させている方から「ガラス工房の運営」について伺います。
お問い合わせ、お申し込みは井上典子さんまで
http://inoten.exblog.jp/

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